2014-07-20

<プロフィール>
小倉 敦生 / Ogura Atsuo
Chonburi F.C(タイプレミアリーグ) - Sales & Sponsorship Manager
 
アメリカの大学院を卒業後、タイにある日系ITベンダー企業の営業職として勤務。2011年よりチョンブリーF.CのSales & Sponsorship Managerとして広報やスポンサー営業など幅広い業務を担当。父親は元日本サッカー協会会長 小倉純二氏。
 
インタビュー第一弾記念!
 
取材当日、約束の時間に現れないので電話すると「ゴメン寝てた!」と。しかし10分後、しっかりとチョンブリーF.Cのユニフォームを着て現れるあたりさすがである。
 
-寝起きのとこですが(笑)取材をはじめますね。まずはタイに来るまでの経緯を教えて頂けますか?
 
アメリカの大学院を卒業後、海外で働きたいと思って、シンガポールやタイで仕事を探してたところ、タイに進出している日系のITベンダー企業への就職が決まりました。2007年のことです。そこでシステムの営業として約4年間勤務しました。途中、大手の日系IT企業への出向も経験。いずれはサッカーの仕事をしたいとは考えてましたけど、やるなら父親(元日本サッカー協会会長の小倉純二氏)の息の掛かってない海外でやりたいとは思ってました。
 
そんな時、ひょんなことからアジアサッカー連盟の方からタイプレミアリーグのチョンブリーFCが日本人スタッフを探していると聞きました。チョンブリの本拠地にはアマタナコン工業地帯があり、多くの日系企業があることから、スポンサー獲得を見込んで日本人スタッフを探していたらしいです。あとクラブがアカデミーを強化していく方針だったので、日本のノウハウや指導者育成や人材交流など、今後積極的に日本文化を取りいれていくのに日本人スタッフを必要としていたようです。そんな事を聞いて、軽いノリで応募しました(笑)出向中の身でしたけどね。しかし応募したものの返事はなかなか来ず(タイですからね、、)諦めて日本へ帰国して転職活動をしようと日本行きの飛行機を待っていたその時、採用を知らせる電話が鳴りました。そしてクラブから「明日から来れるか?」って聞かれて「行けるかよ!」なんてやり取りをしたのが搭乗20分前。2011年のことでしたね。
 
晴れてチョンブリーFCの入団が決まりましたけど、当時はサラリーマンの身。会社の仕事の引継ぎを大急ぎで済ませてる最中、クラブからマレーシアへの出張を命じられました。まだ正式入団してないのに。。しょうがなく会社を休んで(引継ぎがあるのに)マレーシアへ行きました。何があるのか分からず行ったみたらAFCのACLワークショップでした。まだ正式入団してない私がチョンブリーFCの代表として参加(笑)
 
実際に入団するにあたっては、特にジョブディスクリプションはなく契約書も自分で作り、給料から福利厚生まで自分で書きましたよ。(笑)
 
 
"スポンサー営業からアカデミー業務、時には通訳まで担当。さらにはチームと日本人選手の間の潤滑油として活躍"
 
 
-入団初年度の仕事はどうでしたか?
 
入団初年度は自分がコミットした仕事は120%で達成しました。しかし新規のスポンサーが取れなかったことから、マネジメント層からあまりいい評価ではない、と人伝に聞きました。まったくタイ人らしい評価の伝え方ですよ(笑)
 
 
-当時の業務内容は?
 
スポンサー営業・海外遠征の際のチームマネージャー、あとはアカデミー強化の為に海外遠征プラン策定にもちろんチーム引率、またヴィッセル神戸との提携業務などなど、出来る事は何でもやってました。営業するにもチームの紹介資料もスポンサーパッケージの資料すらなかったので自分で一から作成。情報を集めようと色んなスタッフに話を聞くんですけど、返ってくる答えがみんな違うので、制作に半年位掛かってしまいましたよ。後は営業しながら、足りない資料は自分で作って補いました。それこそHPの日本語版も作ったのに、タイ人スタッフがリニューアルした際に消してしまって(涙)
 
最近は広報業務にも力を入れています。日系のスポンサーを獲得するには日本人の間でチョンブリーFCの知名度を上げる必要があるので、メディアに取材してもらうような働きかけをやっていますね。
 
-チョンブリーFCはアカデミーが強い印象がありますが、小倉さんはどう関わっているのですか?
 
アカデミーの業務は日本やロンドン遠征など海外遠征の企画や引率などです。また日本から遠征に来るチームのアテンドも、旅行会社の添乗員バリにやってますよ。日本からのチームが来てくれるのはタイ人選手にもプラスになるのでありがたいですね。あとはチョンブリーFCが提携しているヴィッセル神戸にアカデミーの選手を毎年留学させてます。
 
-トップチームの日本人選手の獲得にも動くのですか?
 
去年からJリーグのトライアウトの視察に行き、日本側の代理人にコンタクトしたり、トライアウトの来ている選手の情報を集約してタイにいるクラブの首脳陣に送ったりして、選手獲得の内部支援活動にも色々動いてます。今シーズンは和田監督を獲得し、日本人選手・スタッフも増えました。日本から来たスタッフや選手のお世話もクラブと選手の間にうまく入って潤滑油(板ばさみとも言う)になってますよ。
 
-日本人選手、スタッフが増えましたが、チームの日本化うまくいってますか?
 
いい感じに日本流が浸透してきてます。和田監督はフェアに選手を見てますし。当然ですけど、練習を欠席したり、遅刻したりする選手は使いませんね。いい例があって、今年のチームの初戦にACLの予備選があったんですけど、主力のセンターバックの選手が遅刻して来て、監督はその選手を試合には使いませんでした。昨シーズンまでバリバリの主力だった選手が規律を乱した事によって試合に使われないことで、チーム全体に「この監督は違う」といった緊張感が生まれました。よって正当な競争が生まれ、全ての選手がモチベーション高く取り組んでくれています。タイ代表を辞退してまでチョンブリの練習に出たがる選手もいるくらいですし。ある意味いいことですけどね。それから、加藤好GKコーチが加入以降、ウチの正GKはタイ代表になるまで成長して、試合分析は加藤光男コーチがしてますし、選手のコンディション管理なんかには、白木トレーナーが、タイでは珍しい鍼治療など、日本流を上手く取り込んでいると思います。
 
-この仕事で大変なことってあります?
 
業務は多岐に渡りますが、評価は営業実績で見られる。かといって営業だけやればいいってもんでもないし、まぁ自分のリソースの使い方は上手くしないと大変ですね。今シーズンの前半は通常業務に加えて和田監督の記者会見の通訳もやったりしてアウェーに、ときおり同行してたので大変ではありました。
 
 
"日本とアジアの架け橋として、アジアからJリーグのレベルアップに貢献"
 
 
-ではこの仕事のおもしろみは?
 
なんでも出来る。だって何にもないから(笑)その分成果が出ればうれしいし、失敗しれば自分のせいでもあるし。責任はありますけど、やりがいはありますよ。
 
-今後の目標、さらにその先のご自身の将来の目標・夢について教えて下さい。
 
チームの露出を増やして「チョンブリーFC」のブランド力高めて、スポンサー獲得に繋げていきたいですね。サポートしれくる企業が増えることによってチームが強くなればいいなと思ってます。あとはJリーグのレベルアップをアジアから手助けしていきたいです。自分だからこそ出来る日本とアジアの架け橋的な存在で活躍できたらいいですね。結果、サッカー界における日本の地位が高まればいいなと思います。将来的には自分のクラブを持つとかもありますよ。
 
-日本にいる若い人達にアジアで活躍する先輩として一言おねがいします。
 
外の世界に飛び込むことで自分の良いところ、悪いところに気づくことが出来ます。日本の色んな面での素晴らしさについて、出たからこそありがたみを感じます。日本の恵まれた環境では気づけないことが多々あるので、一歩外に踏み出せば、その後大きな成長が待ってると思いますよ。
 
 
<了>
Text & Photo: ASEAN FOOTBALL Link
 
 
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