2014-09-18

<プロフィール>
猿田 浩得 / Saruta Hironori
Singhtarua F.C.(タイプレミアリーグ)


拓殖大学を卒業後、2005年に愛媛FC(当時JFL)に入団。2シーズンプレーした後、YKK AP(現カターレ富山*当時はJFL所属)へ移籍。翌年、シンガポールSリーグのバレスティア・カルサFCへ入団。2009年シーズンより、タイプレミアリーグのシラチャーFCでタイでのキャリアをスタート。翌年、活躍が認められ、バンコクグラスFCへ移籍。中心選手として4シーズンプレー。2011年前期シーズンはリーグベストイレブン受賞。2014年シーズンよりシンタールアFCに在籍。

前篇はこちら

-2010年からバンコクグラスでのキャリアが始まるわけですが最初の年から活躍出来たんですか?

一年目はあまり活躍できませんでした。シーズン前は優勝候補だったんですけど、いざリーグ戦が始まると勝てなくて、僕も出たり出なかったりが続いてました。今思えばよく次の年も契約してくれたなと。そして次の11年シーズン、チームの順位は5位でしたが、僕自身はベストイレブンを受賞することが出来ました。

-1年目と何が変わったんですか?

監督が使い続けてくれたからですかね。使われるとコンディションも良いですし。バンコクグラスは負けが続くと監督がコロコロ代わるんですけど、そのシーズンは監督が代わっても使われ続けましたね。あとは同じ日本人の滝澤邦彦さん(現ランシットFC)が一緒で、あの人がかなりアシストしてくれました。

-バンコクグラスには4シーズン在籍。外国人が同じチームに4年、しかもタイで。かなり凄いことだと思いますが。

ありがたいことですね。あとはタイならではなんですけど、オーナーとの関係がよかったのも大きかったのかなと思ってます。自分のプレースタイル、あとは性格的にも合ったのか、プライベートでも仲良くしてもらってました。

 

-オーナーの話が出ましたが、タイではオーナーは絶対的な存在?

 

チームにもよりますけど、監督よりもオーナーが仕切っているチームもあります。監督は代わりますけど、オーナーは基本同じなので。

 

バンコクグラスFC時代。チョンブリーFC 櫛田選手との日本人対決


-現在タイでプレーする日本人が増えた要因を作った一人だと思いますが。

僕はあんまり気にしてないですけど、僕よりも丸山さんの存在が大きかったと思います。丸さんは一年目からJリーグにタイサッカーの現状をレポートしたり、あの人の存在があったから今これだけ日本人が増えたんだと思ってます。

-今ではタイ語でインタビュー受けたり、かなり堪能な印象ですが。

 

いやー、6年いる割にはまだまだですね。知らない単語もまだまだありますし、2年目のタイ語のレベルとあんまり変わってないですよ。



バンコクグラスFC時代にタイでの知名度も一気に上昇

 

-奥さんはいつタイに来られたんですか?

バンコクグラスに移籍した年ですね。当時はまだ結婚してなくて、その年のシーズン終了後に結婚したんですけど、来た当時は未だ結婚してた訳でないし、奥さんの両親は嫌がってたと思いますよ。当時は「タイでサッカーやってます」って言っても訳わかんないじゃないですか(笑)最初の半年は友達もいないし、言葉も分かんないし苦労かけたと思うんですけど、徐々に慣れてくれましたね。

 

-4シーズン過ごしたバンコクグラスからシンタールアFCへの移籍の経緯は?

バンコクグラスでの最後のシーズン(13年シーズン)は試合に出たり出なかったりが続いてて、これだったらアウトかなって感じはありました。ただ、おもしろいことに、チームから直接「クビ」とは言われてないんですよ。けどオーナーと話す雰囲気とかで分かるんですよね。すごく気を使ってる感がある。タイ1年目だと分からなかったかも知れませんけど。あと、他のチームが「猿田はアウトなんだな?移籍金なしで獲得出来るんだな」とコンタクトして来たらしく、それに対してチーム側が「そうだ」と答えたのを知って、「あぁ俺はアウトなんだ」と知りました。

-そんな話しになるのはいつ頃ですか?

10月くらいですかね。シーズンも残り1ヶ月~2ヶ月。その時期になると、他のチームメイトが契約延長したかどうかの情報も当然チーム内では回るので、自分はまだってことはそういう位置にいるんだなとは理解してました。


-そこから他のチームからオファーがあったんですか?

去年は試合にもあまり出てなかったので、オファーなかったらどうしようとか、もし話が来なかったらサッカー引退かなと考えたりはしました。けど幸い幾つかのチームから獲得の打診が来ました。

-直接選手に連絡が来るんですか?

そうですよ。タイ人の殆どの選手は代理人をつけてません。彼らは「選手やスタッフのネットワークを使って移籍先探せる」と言います。
僕の場合は知り合いから「シンタールアの監督が電話番号を知りたがってる」と連絡があったので教えました。あと最近ではフェイスブックからも連絡が来ますよ。日本では中々ないですよね。ちょっとやっかいなのは、移籍の仲介役として間に入りたがるタイ人がいるのも事実です。チームスタッフが選手に移籍の話を持ちかけたりもあります。実際契約となると、「何%かくれ」ってのはあります。


-シンタールアFCに決めた理由は?

オファーをもらったチームの条件はどこもほぼ同じでした。家族のこともあるので、今住んでるエリアは子供の幼稚園や日本食の買物にも便利。あとは自分のサッカースクール(CREER FC)にも行けるので、そういう点を踏まえてシンタールアFCに決めました。


-現在チームの調子はどうですか?

今年はめずらしく飛び抜けたチームがないので、なんとか中位(7位くらい※8月時点)には付けてます。ただあまり勝ち点の差がないので順位はすぐに入れ替わりますけどね。

-新しいチームにはすぐ溶け込めました?

バンコクグラスと比べるとチーム力も落ちるのでストレスを感じるのかなとは思ってましたけど、皆で頑張るチームで、運もあって守ってカウンターがはまって勝つ試合も多く楽しくやれてます。若くてまじめな選手が多いし、監督から自由にプレーしろと言われているので、伸び伸びやれてやりやすいですよ。

-キャプテンもやってますよね?

あれは監督からやれって言われてキャプテンマークを巻いただけです。引っ張るようなタイプじゃないので、マーク巻いただけで笑われますけどね。


現在所属するシンタールアFC

 

-今年で6シーズン目ですけど、リーグ自体に変化を感じますか?

外国人選手のレベルは上がっていると思います。給料がいい分、日本人以外にも韓国人や他の国からも当然来るので、外国人の競争は激しくなってます。環境面も整ったチームが増えました。あとはメディアですかね。メディアの露出が増えると、当然政治家や企業家がチームを持ちたがるし、それにはお金もかける。それもあってか年々給料は上がってる感覚です。そんなに贅沢したり遊んだりしなければお金は貯まりますよね。


-日本人が60人近くいることについては。

正直あまり気にしてません。結局個人としてしか見られないので。日本人が活躍して評価が上がっても、自分次第です。オーナーや監督も一選手としてしか見てないと思いますよ。


-シンガポールやタイでやってきて自分のサッカー感に変化はありますか?

ちょっと日本の時の感覚は忘れましたけど、感謝って意味ではタイのほうがしてます。タイで有名にしてもらったし、タイが好きになってしまいますよね。サッカー感も変わってると思います。普段日本人と接する機会が少ないので感じる機会がないですけど、自分が日本でやってきたことが全て正解だったとは思えないし、タイはタイのサッカーがあるし、まぁ何でも受け止めれるようになりました。妥協とか目線を下げるとは違って、タイ人をリスペクトしてる感じですかね。


-選手としての今後の目標は?

長く現役でやる。その為にプレーで評価してもらう。タイでは名前だけでは残してもらえないので、長くやるためには毎年結果を残す必要がある。カテゴリーは下げずに長くやる事ですね。


-国は問わず?

なるべくはタイプレミアでやりたいです。


-セカンドキャリアは?

深くはまだ考えてないですけど、今関わっているサッカースクール(CREER FC)で日本人以外の子供達も指導したり、もしかしたら全然違うことに興味出るかも知れません。僕はやりたい事がコロコロ変わるので。実は2年前位に競艇選手を目指したこともあるんですよ。YKKにいた時は教員の通信教育受けたり。自分の性格上、終ったときに感情にもよるかも知れませんね。



スケジュールが合えばサッカースクールで子供達を指導

 

-海外で活躍する先輩として、若い人たちにメッセージをお願します。

タイでいうと最近では日本人もたくさんいるし、ビジネスチャンスはあるんじゃないでしょうか。自分に明確な目標があれば稼げるし、日本にいる時以上に成長できるとチャンスはあると思いますよ。

 



<了>

猿田浩得インタビュー前篇はこちら

 

Text & Photo: ASEAN FOOTBALL Link

 

下地奨 / BEC Tero Sasana F.C.: タイでの1年目はリーグオールスターに選出。2年目の今年も得点王争いに加わる活躍。しかしそんな彼も数年前「サッカー人生が終った」と思う瞬間があった。

 

大久保剛志/Bangkok Glass F.C:ベガルタ仙台、ソニー仙台、モンテディオ山形と渡り歩いた後に辿り着いたタイ。数々の困難を乗り越え、ひたむきにプレーする大久保剛志に迫った。

 


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