2015-04-15

<プロフィール>
加藤 友介 / Kato Yusuke
BB-CU FC(タイ Division-1)

高校卒業後、単身アルゼンチンへ渡りプロのキャリアをスタートさせる。
日本に帰国して、JFLのMIOびわこ草津でプレーした後、12年にデンポSC(インド)
に加入。その後、タイのBECテロ・サーサナFCに移籍。13年シーズンはナコーンラーチャシーマーFC、14年はサムットソンクラームFCでプレー。15年シーズンはタイDivision-1のBB-CU FCでプレー。

 

高校を卒業後、単身アルゼンチンに渡ってプロ選手となり、かつて話題を集めた加藤友介。その後もJリーグでプレーすることなく、インド、タイと海外のリーグを渡り歩く異色のキャリアを重ねてきた。今季でタイリーグでのプレーも4シーズン目、二十代ラストイヤーを新たなチームでスタートした加藤に話を聞いた。

 

-高卒でアルゼンチンに渡って以来、JFLでのプレーが一年ありますが、その他は全て海外でプレーしてきています。あまり前例のないキャリアですよね。

 

珍しいケースですよね。高卒で海外に出て、Jリーグでのプレーを挟まずに今までプロとして続けられているというのは、幸せなことなのかなと。

 

-タイリーグも今季で4シーズン目ですが、リーグに成長や変化を感じますか?

タイプレミアリーグ(1部リーグ。以下、TPL)のレベルは上がっていると思います。外国人選手のレベルも年々上がっていると思いますし。ただ、ディビジョン1(2部リーグ)に関しては、2年前の方が難しかったというイメージもありますね。

 

-ディビジョン1に関しては、2年前の方がレベルが高かったということですか?

 

2年前の方が、けっこうプレスも厳しくて手強い相手が多かったという印象があるんです。僕が思うには、2年前はディビジョン1にも資金力のあるクラブがけっこうあったからじゃないかと。結局、タイ人選手の能力が一番大きいので、いいタイ人選手がけっこうディビジョン1のチームにもいたんだと思います。

 

-リーグが成長過程にあった2年前は、1部にいるべき規模のチームが2部にも多く混在していた、という感じでしょうか。

 

そうだと思います。今年の場合は、ディビジョン1で特別な資金力があるのはポリス・ユナイテッドくらいだと思うので。逆に、TPLに関しては、戦力も拮抗してどこが優勝するかわからないレベルの高いリーグになっていますよね。

 

-選手の意識の変化なども感じますか?

 

若い選手はだいぶ意識も高くなってきていると思います。世代によって違うと思いますね。タイ代表が活躍して注目度が上がっているのもあると思いますし、日本のサッカーを見る機会も増えていると思うのでそういう影響もあるかもしれません。

 

-タイ人選手たちの中で、Jリーグへの注目度も高まっていますか?

 

日本のサッカーがどうだとか、そういう話もするんで、気になる存在にはなっているんじゃないかと思います。BECテロ・サーサナ時代のチームメイトだったチャナーティップ(注:清水エスパルスに練習参加した経験もあるタイ代表の中心選手)なんかも、日本でプレーしたいと言っていましたし。

 

-昨季は2年ぶりにTPLのクラブ(サムットソンクラームFC)でプレーしましたが、どんなシーズンでしたか?

 

正直、苦しいシーズンでした。試合で勝てないのもきつかったですけど、それ以上に、目指すところに向かって自分が前に進んでいるというのを日々の練習で感じられなかったのが苦しかったです。

 

-日々の練習が充実していなかった?

 

そうですね。正直、チーム練習の雰囲気もだらだらしていましたし。試合にずっと出ていたらまだいいんですけど、出られない時もあって。それでもしっかりとした練習をしていればそれほどコンディションも落ちないと思いますが、そうではなかったので。

 

たとえば練習で5対5のゲームをやっても、プレッシャーもだらだらで、パスを出されてもパスを受けに行くのもだらだら。その中で自分だけが一人でプレッシャーに行って、というのを繰り返している状況だったので。

-一昨シーズンはディビジョン1でプレーして、やはりもう一度TPLで戦いたいという気持ちが強かったですか?

 

はい、それは強かったです。声をかけてくれるTPLのクラブがあれば、一番最初にオファーをくれたチームに移籍しようと思っていました。どんなチームなのか、しっかりと調べずに決めてしまったのはよくなかったかもしれません。

 

ただ、去年の一年があったので今、充実感はあります。「いい練習が出来るのは当たり前じゃない」と感じながらやれていますし、そういう意味ではいい経験になったと思っています。

 

もちろん、活躍した時に大きく取り上げられるのはTPLですし、TPLでプレーしたいという気持ちは今でもあります。でも、練習から充実していなくて試合も負け続けているようなチームであれば、ディビジョン1のしっかりとしたチームの方がいいと思うようになりました。

 

-今季は日本人の高野剛監督が指揮するBB-CU FCでのプレーですが、チームにはどんな印象を持っていますか?

 

ディビジョン1ですけど若くて面白い選手もいますし、能力はそこまで低くないと思います。あとは監督がやりたいサッカーをどこまで理解して実践できるかじゃないかと。開幕戦ではいい試合ができたんですけど、その後はそのイメージで試合ができていないので、これからだと思います。

 

-2年前のナコンラーチャーシーマーFC時代も途中から神戸清雄監督だったので、加藤選手にとって2度目の日本人監督になりますよね。タイ人監督と日本人監督の違いを、どんなところに感じますか?

 

一つはやっぱり、日本人監督は守備の組織をしっかりしてくれます。選手として「こうしてほしいな」と感じる当たり前のことを、日本人監督はその通りにしてくれるというところはあると思います。

 

コンディションの面でも日本人監督は、たとえば試合の4時間前に軽食を入れてエネルギーになる炭水化物を摂らせるとか、細かいことをきっちりやってくれますね。タイ人の監督の場合は、昼ごはんを食べたらあとは好きにしていいよ、みたいな感じが多いので。

-昨シーズンから、日本人監督が指揮するチームはいい方向に向かう傾向にあります。日本流のやり方が、タイのクラブにもうまく浸透しているということでしょうか。

 

神戸さんも高野さんも海外慣れしているので、その国に合わせるのも上手なのかなという感じはします。厳しいルールも設定するんですが、急にやってしまうとタイ人は嫌がってついてこないところもあるので、時間をかけて徐々に自分のやりたいところにもっていくのが上手い監督さんだと思います。

 

-ナコンラーチャーシーマーFCでは、神戸監督になって練習に遅刻してくる選手などもほとんどいなくなったと聞きました。その点は、BB-CU FCではどうですか?

 

このチームに関しては、もともと練習に遅れてくる選手はほとんどいないですね。去年のサムットソンクラームでは、たとえば練習が4時からの時に3時半に行っても誰もいないような感じだったんですけど。

 

-高野監督が改革したわけではなく、最初からきっちりしていたということは、「日本人監督は時間や規律に厳しい」というのがすでに浸透しているんでしょうか。

 

そうかもしれませんね。このチームがタイ人監督の時にどうだったか僕は知らないので何とも言えませんけど、日本人監督になるから、ということで変った可能性はあるかもしれません。

 

あとは、監督もそうですが、GMやオーナーなどの意識によっても違うと思います。このチームは、オーナーではないんですがチームのナンバー2がけっこう練習にも来ますし、意識がちょっと違うのかなというのは感じます。そういうチームはタイ人選手の意識も高くなっていくんじゃないかと。

 

-最後に、今季はどんなシーズンにしたいですか?

 

チームとしての目標は、優勝してTPLに昇格することです。個人としては、今は中盤をやっていますけど、もともとはフォワードなので得点も意識したいですね。2年前にはサイアムスポーツ(タイの大手スポーツ紙)でシーズンのベストイレブンに選ばれているので、またそういうものにも選ばれるようなプレーをしてTPLのチームにも注目してもらえるようになりたいと思います。

<了>

Text & Photo: 本多 辰成, BB-CU FC

 

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